地域を支える生産者

2025年10月 米生産者

 

地の利を活かした環境にやさしい米作りを

前左から
中尾 安志部会長(77)、結城 晉三さん(82)

後左から
松本 曻さん(84)、山中 重範さん(65)
樋口 雅一さん(75)、大西 良子さん(72)
中林 博世さん(67)、渡辺 敏和さん(72)

プロフィール

部会員17人、約20ヘクタールで地の利を生かした環境にやさしい米づくりを行っている。今年度は約60トン出荷予定。県内では松菱、マルヤス山手通り店などで販売している。(時期によって取り扱いが無い場合があります)

環境を活かした栽培

 美杉清流米は雲出川源流の水、澄んだ空気、朝と夜の気温差などの地の利を活かしながら、農業で環境を汚したくないとの思いで作った特別栽培米です。生産者、JAみえなか、全農みえが三位一体となって取り組んでいます。品種はコシヒカリですが、一般的なコシヒカリと比較して粒が大きく、粘りが強いうえ、食味が甘いのが特徴です。昨年産の1等米比率は98.8%と高品質な米を出荷できました。

安全安心への取り組み

 特別栽培米の取り組みとして、化学農薬を規定使用量に対し半分まで下げて栽培しています。また、化学肥料の代わりに、稲刈り後すぐに田んぼを起こしてレンゲ栽培を行います。田植え前の春にすきこむのですが、レンゲの根粒菌(こんりゅうきん)が窒素を蓄えるので、自然の力で地力増進になり、コスト低減にもつながっています。
 また、安心安全の取り組みとして、部会内で栽培基準を統一するために、稲作暦や生産履歴記帳の作成、研修を定期的に行ってルールの共有を図っています。消費者に対しても、生産者がどこでどのように栽培しているかの情報公開を行っています。
 さらに昨年は環境にやさしい農業の取り組みを消費者にさらに伝えやすくするために、「SDGsパートナー認証」、「みどり認定」の取得や環境負荷低減の見える化システムのロゴをパッケージに施しました。近年、環境保全型の農業が注目されてきており、私たちの取り組みが特別栽培米としての付加価値につながっていると感じています。

農村と都市とのつながりを深める

 年に数回、消費者向けのイベントとして田植え体験を開いたり、販売店の店頭でPR活動を行っています。食の安全安心を直接伝えられる喜びがあります。生産者の高齢化に伴い、生産量と需要量のバランスをどう維持していくかが課題なので、次世代に繋げられるように、面積拡大や部会員の増員に取り組んでいきます。上流域である美杉の土地に合った農業が、下流域の環境も守る責任を持って取り組んでいきたいです。

 

※お話は中尾部会長からお聞きしました。

 

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