地域を支える生産者

2022年2月 みかん生産者

味のバランスのいいみかんを届ける

みかん生産者
小林 博史さん(61)

プロフィール

温州みかんである「寿太郎(じゅたろう)」を中心に年間5~10トンほどを出荷しており、2022年現在「高糖系みかん部会」の部会長を務めている。寿太郎のほか、「青島」「はるみ」「不知火」など含め約8品種を58aで栽培している。趣味は登山。年1回は100名山など標高2,000m以上の山にチャレンジしており、そこから眺める美しい景色が楽しみの一つだ

両親とともにみかんの栽培を開始

みかん栽培に携わるようになったのは25年前。それまでは両親が養蚕をしていましたが、時代の変化とともに需要が少なくなってきたこともあり、地域で栽培が盛んだった寿太郎の栽培に変更。私も手伝いとして一緒に作業をするようになりました。10年ほど前からは一人で作業をするようになり、昨年の3月に退職するまではサラリーマンとして勤めながら兼業農家として励んできました。

兼業農家として奮闘する日々

まったく知識がないところから始めたので、近所に住むみかん農家の叔父や、先輩方に習いながらやってきました。兼業なので作業は主に休日でしたが、みかんの生長や天候は私に合わせてはくれないので、適期に作業できないこともしばしば。退職してから少し時間はできましたが、専業とまではいかないのでなかなか難しいですね。
寿太郎は一つの木から実を収穫できる寿命が短く、定期的な植え替えが必要です。台風の被害を受け、折れてしまった木の代わりに苗を定植することもありますがカミキリムシの被害がよく発生し、大きく育つまでに木がだめになってしまうことも多くあります。最近はようやくなってきた実を小動物に食べられるなど、苦労は絶えません。

お客さんのために

寿太郎は貯蔵みかんなので、12月に収穫してから2月頃に出荷するまで、貯蔵庫で貯蔵し、酸を抜きます。こうすることで糖度と酸度のバランスが良いみかんに仕上がります。貯蔵中に腐ってしまわないよう、温度や湿度の管理のほか、腐ってしまったみかんを早期に発見し、拡大を防ぐなど、気を使います。ですが、私の作るみかんを気に入って毎年買ってくださる方もいます。そういうお客さんがいることはとても嬉しいです。待っていてくれる方のためにも、今後も現状維持しながら生産を続けていきたいです。

ページTOPへ