地域を支える生産者

2023年2月 松阪赤菜生産者

伝統を繋ぐ手助けになりたい

松阪赤菜生産者
後藤 洋子さん(68歳)

プロフィール

松阪赤菜生産加工グループ「紅工房」に所属。1aの面積で松阪市原産の「松阪赤菜」を栽培しているほか、ナバナやモロヘイヤの栽培にも取り組んでいる。 友人と行くランチや旅行が休日の楽しみ。

時間を活用して始めた農業

 私が松阪赤菜の栽培を始めたのは12年ほど前になります。松阪赤菜の生産・加工を行っている「紅工房」の代表である杉山喜代子さんに誘われ、手伝いをしていたところ「栽培もしてみない?」と声をかけてもらったのがきっかけです。ちょうど退職した頃で、時間があったことと、他の方に預けていた畑を返してもらうタイミングだったこともあり、挑戦してみることにしました。もともと家庭菜園をしていて農業をすることは好きだったので、同時にナバナの栽培も始め、楽しく続けています。

伝統野菜「松阪赤菜」を栽培して

 松阪赤菜は杉山さんが採種した種を蒔くところから栽培が始まります。パラパラと種を蒔くので、どうしても密集してしまうことから、小抜き作業が必要になります。密集したまま育てると、小さくなったり変形したりするため、重要な作業なのですが、これが大変です。
 松阪赤菜はこの地域にしかない伝統野菜なので、使える農薬なども限られていることと、できる限り減農薬で栽培したいという想いから、虫害に遭わないよう、手作業での防除に努めています。寒い時期の作物ですし、大変な時も多々ありますが、収穫した松阪赤菜を水で洗うととても綺麗な紅色になり、嬉しくなってまた頑張ろうと思えます。

仲間がいるから楽しい

 松阪赤菜を栽培していて楽しいのは仲間がいることです。地域のイベントや取材などがあると杉山さんを中心に「紅工房」みんなで集まってわいわいと取り組みます。栽培で困ることがあっても助け合っているからこそうまくできています。今年の松阪赤菜はまっすぐで形がいいものがたくさんできているのですが、みんなに小抜き作業を手伝ってもらったからだろうなと思っています。
 松阪赤菜はまだまだ地域では知られていない作物です。漬け物にするのが一番おいしいと思っていますが、そのまま生でサラダにもできるし、炒めたり、おひたしにしたり、お肉と一緒に焼いて食べたりするのもオススメです。もっと知名度が上がってほしいと思っているので、これからはできれば面積も広げて、もっとたくさん作れるように頑張りたいです。

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