地域を支える生産者

2023年11月 柿生産者

 

柿生産者
中嶋 守さん(81歳)

プロフィール

白山町柿部会の部会長。約30aの面積で「次郎」、「富有」(ふゆう)を栽培しぬくいの郷に出荷。休日は歌謡教室に通ったりスポーツ観戦をしている。月に1回友人と行く食事会が楽しみ。

サツマイモ栽培から柿栽培へ

柿栽培を始めたのは今から約60年前。元々、サツマイモを栽培していましたが、土が粘土質で野菜栽培には適していないと感じ、JA に相談したところ柿栽培を勧められました。
土づくりからの作業で何もわからない一からのスタートでしたが両親と協力しながら、苗木を植えるために1本あたり深さ1mの穴を等間隔で掘って、1aあたり約40本を手作業で植えました。栽培方法については、仕事のかたわらで講習をうけたり部会員に教えていただいたり独学で勉強したりもしました。
「桃栗3年、柿8年」という言葉がありますが、実が出来るまで約10年かかりました。これだけ長い年月をかけた分、収穫できた時はすごく嬉しかったです。
15年前に勤め先を定年退職し、本格的に就農しました。

柿栽培の難しさ

柿栽培で一番大事なのが防除です。特に梅雨の時期が大切で、決まった時期に防除をしないと収穫する際に品質に大きく違いが出てしまうので気を抜かずに防除を徹底しています。
しかし同じように肥料や手入れをしても全く同じようには育ってくれません。栽培を始めて半世紀以上経ちますが、自分の思うようにはならず毎年悩みますし難しいです。
今年は雨が少なく日照りの多い日が続いたため、表面が日焼けをしてしまい心配ではありましたが、台風による大きな被害もなかったため順調に育ってくれています。

お客さまに喜んでいただく喜び

 

栽培していると天候や虫害に悩まされることもありますが、買っていただいたお客さまに「甘かった!美味しかった!」と報告してもらえた時栽培を始めて良かったなと感じます。中には、「昨年美味しかったから今年もお願いします。」と買いに来てくださることもあり、リピーターさんができると大変うれしくやりがいを感じます。
年々農業を継ぐ若者が減りつつあります。部会の中でも後継者がおらず、今は良くてもこの先は分からない。という話になります。今後の農業は少し不安ですが、ぜひ農業の存続のため若い方に守っていってもらいたいですね。私も体が動く間は一人でも多くのお客さまに喜んでいただけるよう健康に気を付けて栽培を頑張ります。

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