
プロフィール
一弘さんは平成10年に両親の後を継ぎ、30代で就農。10年前に株式会社ドイファームを設立し約51haで「コシヒカリ」「にじのきらめき」を栽培する。8月中旬~10月まで収穫を迎え年間約180トンを卸問屋へ出荷する。休日はしっかり体を休め、好物のアイスクリームを味わうのが息抜き。 勇佑さんは農機具メーカーや県庁での勤務を経て、農業の道へ。休みの日は愛猫と過ごす時間に癒やされている。
実家の農業を継いだのは平成10年、30代を迎えた頃。周囲には「遅い門出」と言われましたが、当時の農業の活気に背中を押され就農を決意しました。10年前には株式会社ドイファームとして法人化し、現在は5、6人の従業員と共に米、麦とゴマを栽培しています。数年前には、農業を志した息子の勇佑も加わり、親子での米づくりが始まりました。
化学肥料になるべく頼らない土づくりにこだわっています。有機肥料と化学肥料を半々に使い分けるほか、堆肥の活用も模索中です。近年の課題は、夏の猛暑による水不足や、病害虫による被害が深刻化し、消毒作業にも手間がかかるようになりました。水不足の対応策はBS資材(※1)を試験的に導入して保水性を高める米づくりを目指しています。
防除や肥料散布については近年取り入れたスマート農業を取り入れ、一般的なドローンよりも大きな「T70」(※2)を導入し、水稲栽培や追肥に活用しています。以前は車高の高い散布機で炎天下を何時間も回る重労働でしたが、このドローンであれば条件次第で約70リットルの資材を積み、一度に田んぼ2ha分をまとめて散布できるため、効率化ができました。肥料の量やタイミングは、栽培管理システム「ザルビオ」と肥料サンプルの分析結果をもとに判断します。他にも散布機やトラクターにも先進技術を導入し、まだ使いこなせていない部分もありますが、少しずつ活用を広げているところです。
麦の作付けから始まる一年を終えたときの達成感が、来年への活力になります。目指すのは規模拡大より品質の安定です。新しいものも積極的に取り入れていますが、昔から変わらない土や米への向き合い方は、これからも大切にしていきたいです。息子と共に、基礎を大切にした米づくりに励みます。
※1 気候変動がもたらす高温、乾燥といったストレスに対する耐性を高める等の作用をする資材のこと。

※2 ドローン「T70」