
プロフィール
約3haで冬は「冬藍」、春は「味春」、「若女将」などを栽培し、加工用栽培にも取り組む。11月から5月にかけてJAや市場などに合計約150トン出荷する。社名の「さかのした」は、小田家の倉庫が坂の下にあり、生産者同士のコミュニティの場としてその愛称で親しまれていることから。
「さかのした農園」は私が代表となり昨年7月に設立した法人です。それまで「おだ農園」として夫とその両親とともに家族で運営していましたが、将来は家系ではない人に継承してほしいという思いから法人化を決めました。経営ついて考えるきっかけになったのはコロナ禍の時。当時、キャベツの価格が低くなる一方、資材代が高騰し所得が減少しました。そこから安定した経営について考え、2年間経営塾で学びました。私が代表になったのは「農業は男がやる」「根性論」のイメージを払拭したいからです。また、どれだけいい農業をしても情報発信しないと発展しないという夫の意見から、私がマネジメントやSNSで女性の感覚を取り入れた情報発信を中心に取り組み、夫が栽培を手がけています。
県外の大産地を視察した時、生産量では絶対敵わないと感じました。そこで安定供給するための主要品種も作りながら、美味しくて健康的なキャベツの生産に方向性を変え、15品種ほどを試験的に栽培。生食や加工などに向いているなど品種特性を探究し、栽培品種を決めました。栽培のこだわりは「毎日畑をよく見て防除は2回まで」と決めていること。また、化学肥料の代わりとしてバイオスティミュラント資材を使用し、根を強くすることで食味の良さにつなげています。私たちのキャベツを食べた友人に「キャベツの概念が変わった。キャベツを食べない子どもが食べた」と言ってもらえた時は嬉しかったです。
夫が青年農業士として活動していた頃、農業大学校などの学生と関わる機会があり、家業が農業でない子は就農が難しいという悩みを知りました。そこで就農の選択肢として、研修生の受け入れを行っています。実際に研修を受けていた子が今年うちを就職先として選んでくれたので、やってよかったと感じています。
これからも他産地とは違う角度から生産に向き合い、美味しさで「キャベツといえば久居」というイメージを県内外から持ってもらえるように、会社として様々なコミュニティを作り、町全体でブランド化に取り組んでいきたいです。